【後編】はじめましての子どもに安心感を与えたい!「アイスブレイク」の具体例 〜NPO法人Learning for All の事例〜

子どもと関係を築くために、事前にアイスブレイクでの話題やコンテンツを考えておくことも大切です。

後編である今回は、NPO法人Learning for All (以下、LFA)の学習支援スタッフにアイスブレイクでオススメの話題やコンテンツ、具体的な困りごとへの対応方法について伺いました。

前編はこちら:

【前編】はじめましての子どもに安心感を与えたい!「アイスブレイク」が重要な理由〜NPO法人Learning for All の事例〜
【前編】はじめましての子どもに安心感を与えたい!「アイスブレイク」が重要な理由〜NPO法人Learning for All の事例〜

 

プロフィール:学生ボランティアAさん
大学3年から1年間、LFAの学習支援ボランティアを経験。現在、学習支援拠点のインターンとして活動している。趣味はスポーツすること、ドラマ鑑賞。
プロフィール:学生ボランティアBさん
大学3年から1年間、LFAのボランティアを経験。現在、学習支援拠点のインターンとして活動している。趣味は美味しい居酒屋を探すこと。
プロフィール:学習支援拠点長(職員)Cさん
学生時代LFAで学習支援・居場所インターンとして活動後、LFAに入職。趣味は地上波のドラマ鑑賞。

こんな話題がオススメ!~具体的なアイスブレイクの例

子どもの好きなもの、持っているものから話を広げる

—実際に皆さんが持っているアイスブレイクの”鉄板ネタ”のようなものがあれば教えてください。

Bさん:子どもの好きなものを聞いて、子どものフィールドに入るようにしています。自分の好きなものを持っている子どもが多いので、「教えてほしい」というスタンスで聞くようにしていますね。「話したい」「伝えたい」と思っている子どもであれば積極的に話してくれるので、好きなものの話題からなら打ち解けやすいのではないでしょうか。

Aさん:あとは子どもの持ち物から話が広がることも多いので、持ち物にはよく目を配るようにしています。子どもが身に付けているものに、「あ、それ知ってるよ」と言うと自分から話してくれることがあります。

低学年の子どもだと、自分で描いた絵を持っていることが多いので、それについて触れると少し自慢げに話してくれたり、「タブレットでも描いてるんだよ」と見せてくれたりと、話が広がっていくこともあります。子どもの頑張りが見えるものに触れると話が盛り上がることはよくありますね。

Cさん:好きなものの話は盛り上がりますよね。共感してもらえると「この人と一緒にいると安全そうだな」と思えるきっかけにもなりますよね。

あらかじめ教材やコンテンツを用意して子どもと一緒にやる方法もありますが、それよりも、先にAさんが話していた通り、大切にしたい軸を明確にしてロールプレイなどで心構えをした上で、普通に会話をした方がうまくいくことが多い気がします。コンテンツを用意する場合は、万が一子どもがそれに興味を持ってくれなかった場合の対応は想定しておけると良いと思います。

1対複数で子どもと関わるときは、子どもの特性や発達段階にあったゲームやコンテンツを用意すると安心

—そうなんですね。コンテンツを用意するよりも会話をする方が子どもと打ち解けやすい、という考えは意外でした。

Cさん:もちろんケースバイケースだとは思います。会話が得意ではない子どももいるので、そういう子に対してはコンテンツやゲームが有効だと思います。また、例えば子どもと1対複数で関わる場合はゲームやコンテンツを用いる方がうまくいくこともあります。初対面同士の子ども複数人を対象にする場合、そこにいる全員で関係性を築く必要があると思います。そのようなとき、会話だと話していない子どもが退屈してしまうことがあるため、ゲームやコンテンツを活用するのも良いと思います。

—オススメのゲームやコンテンツはありますか。

Cさん:好きな項目を3つ選んで話す「3つ選んで自己紹介」はよくやりましたね(下画像参照)。自分で好きなトピックを3つ選んで自己紹介するというものです。あとは「お互いにインタビュー」という、質問を紙に書いてインタビュー形式で隣の人に聞くゲームも、子ども同士が話す機会を作るためにやっていました。 ただ、子ども同士が完全に初対面だとあまりうまくいかないこともあるので、子ども同士の関係性も考慮する必要があると思います。


画像:LFA作成

Bさん:こういったコンテンツを用意するときは、事前情報から子どもの特性を理解して準備する必要があると思います。例えば「お互いにインタビュー」をやっても、子どもによっては他の子が聞いた質問が理解できない、ということもありえます。子どもの発達段階や、子ども同士の関係性にも注意をして準備することが大切だと思います。

こんな時どうする?〜具体のケースについて

ケース①:ゲームで遊んで、緊張をほぐす

—具体的なケースについて、どのように対処したら良いかいくつか伺おうと思います。まず、子どもが不安や緊張から反応が薄く打ち解けにくい場合、どうしたらいいのでしょうか。

Cさん:ウノやトランプといったゲームを活用するのはどうでしょうか。 以前私が担当した子どもの中に何を聞いても「わかんない」と答える子どもがいて、何も話せず困ったことがありました。このような場合、ゲームがあればあまり話さなくても一緒に過ごすことができ、集中して遊ぶことで緊張も若干和らげるのかなと考えています。

Aさん:私はよく「絵しりとり」をやっています。絵しりとりとは文字ではなく絵でしりとりをする遊びで、まず1人が絵を描き、次の人はそれが何の絵かを予測して、しりとりになるように次の絵を描く、というものです。

絵を描くときは集中できるので間がなく感じますし、見ている方も「何の絵だろう」と考えられますよね。答え合わせのときも「これ何?」と笑い合って打ち解けることができるのでオススメです。 

また、私が描いた絵に対して子どもに「よくわかんないよ」と素直に言ってもらうことで、この場では間違えても大丈夫だという空気が自然とできあがり、何を話しても大丈夫そうだと子どもが思える土台になっているような気がします。

ケース②:知らない話題は積極的に子どもに教えてもらう

—続いて、子どもが好きなものの話をしてくれましたが、自分は話題に詳しくなく、話について行けないとき、どうしたらいいと思いますか。

Bさん:正直に子どもに教えてもらうようにしています。 一緒にパソコンで調べたり一緒に動画を見たり、 子どもが何か持ってきていたら見せてもらうなど「教えて」のスタンスでいますね。

Aさん:知ったかぶりをしない方がいいと個人的に思います。知っているふりをしてしまうと後で話しが合わなくなってしまい、子どもとの関係性作りに影響すると思うので、知らないときは素直に「知らない」と言うようにしています。もちろん少しだけでも知っている情報があればそれを話題に出し、子どもがより話やすくなるようにはしています。

ケース③:5W1Hを有効活用し、子どもの持つ「好き」を深掘り

—最後に、子どもと話していて、うまく話題が広がらない場合はどうすれば良いと思いますか。

Bさん:質問のパターンはある程度テンプレートを持っておくと良いのではないでしょうか。5W1H(「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」)に沿うと「いつから好きなの」「なんで好きになったの」「どんなところが好きなの」と、1つの項目に対して最大6個も質問ができますよね。

Aさん:あとは 「その音楽、来週までに聞いてこようかな」「次に会うまでに今日教えてくれたアニメを観てみるね」と次に繋がる話をするのもいいのではないでしょうか。次に会うときはその話で盛り上がりたいね、みたいな共通認識ができると次週の話題にもつながるのでオススメです。


出典:loosedrawing

まとめ

今回は、LFAの学習支援スタッフの皆さんに、アイスブレイクで取り入れやすい話題や、話の聞き方について伺いました。ポイントを以下にまとめます。

  • 好きなものや趣味、子どもの持ち物などから話題を広げ、子どものフィールドに入ることを意識する。
  • 1対複数で子どもと関わるときや緊張感・不安感を和らげたいときは、ゲームやコンテンツを活用する。
  • 「5W1H」を使って子どもの話を深掘りする。

※本記事の内容は団体の一事例であり、記載内容が全ての子ども支援団体にあてはまるとは限りません

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