【数学:中学1~3年】基礎・応用・入試まで!子どもに合ったオススメ教材

「子どもに勉強を教えているけれど、一人ひとりに合った教材がわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?子どもの学力も様々で、その子に合った教材を見つけるのはなかなか難しいと思います。今回は、NPO法人Learning for Allの福田さんに、中学生向け、子どもの学力に合わせたおすすめの数学市販教材について伺いました。

プロフィール:福田 良
Learning for All 子ども支援事業部。2012年度冬に大学生ボランティアとしてLFAに参加し、その後葛飾区にて学習支援・居場所支援のスタッフとして従事。過去6年間、小学校3年生から高校3年生の子どもに対して幅広く学習支援で指導し、毎年高校・大学受験対策も担当してきた。現在は、LFA の教材開発にも携わる。LFAの現場から子どもが成果と確固たる自信をもって旅立っていき、参加した教師のみなさんが社会課題の当事者になれるような体験を提供したいと考えている。最近ハマっていること:ポケモンの通信対戦

学年別:子どもがつまずきやすいポイントとは?

中学1年生

中学1年生は、正負の式、文字式、方程式と単元が進んでいきます。正負の式を理解していないと文字式は解けず、文字式を理解していないと方程式が解けない。中学以降の数学は良い意味でも悪い意味でも単元が繋がっているので、子どもがどこでつまずいているかをきちんと把握する必要があります。

中学1年生が特につまずきやすいポイントは、文字式・方程式です。「1x」を記載する時には1を書かずに「x」と表現する、など理屈のないルールが多く、なかなか覚えられない子どもが多いと思います。

学力遅滞の大きい子どもはそれ以前の正負の数からつまずいてしまうこともあります。マイナスとプラスの概念が理解出来ていない子どもや小数・分数でつまずいてしまう子どもには、小学校の単元から復習する必要があると思います。

中学2年生

中学2年生は、多項式、文字式の掛け算・割り算、連立方程式、合同・証明などの単元を学習します。特につまずきやすいポイントは連立方程式、合同・証明です。

連立方程式では、式の足し算・引き算をするときに符号を間違えてしまったり、代入する際に計算ミスをしてしまう子どもが多く見受けられます。

ある程度学力がある子どもでも、合同・証明でつまずく子どもは多くいます。合同・証明では①3つのルールを覚える ②図を見た上で、3つのルールのうちどれを満たしているのかを考える ③証明する(説明する)という3つのステップを踏む必要があり、非常に複雑性が高いため、つまずいてしまう子どもが多いと感じています。

中学3年生

中学3年生は、平方根、二次方程式、相似な図形などの単元を学習します。中学3年生は各単元の難易度が上がり、それぞれの単元でつまずきやすいポイントが出てきます。例えば平方根では、①ルートの概念を理解する ②有理化(分母がルートの場合に、分母を整数に直す作業) の部分でつまずいてしまう子どもがいます。その他にも、二次方程式では因数分解が出来なかったり、公式に当てはめるときに適切な数値が出てこない子どもが多いと感じています。

私が見てきた子どもたちの傾向を振り返ると、各学年・単元ごとにつまづきやすいポイントがあります。ですが、子どもの学力は子ども一人ひとりで全く違います。その為、どのような子どもにしても、今その子どもがどれくらいの学力であるのかを把握することが大切です。だからこそ、教材を選定する前に子どもの学力を測るテストを行うことをおすすめします。

おすすめ教材

学力テストで平均点を下回る子ども

学校の学力テストで平均点を下回るような子どもは、基礎をしっかりと固める必要があります。

学力テストで平均点を下回る子どもの中には、学校の授業に全くついていけない子どももいます。そのような子どもについては、下記のポイントを満たした教材をおすすめしています。

  • わかりやすい説明があるもの(イラスト等を用いた説明)
  • 文字の量が多すぎないもの

上記を満たす教材として、学研「中1数学をひとつひとつわかりやすく。」がおすすめです。

画像引用:「中学ひとつひとつわかりやすく 中1数学をひとつひとつわかりやすく。改訂版」家で勉強しよう。学研のドリル・参考書

【おすすめポイント】
パッと見た瞬間に「どこを見れば良いのか」がわかる教材です。勉強が苦手な子どもの中には、説明文を最初からきちんと読める子どもも少ないと思います。この教材は、イラスト等を用いて「どこを見るか」を明確に提示しているため非常に取り組みやすいと思います。

また、MUD認証取得(MUD(Media Universal Design)とは、様々な情報が高齢者・色覚障がい者などにも、見やすく、伝わりやすくするための配慮手法)をしており、文字の大きさや色づかいに配慮をされた教材です。学習障害の傾向がある子どもでも非常に見やすい教材となっています。

その他、学力テストで平均点を下回る子どもの中には、「内容を理解はしているものの知識の定着はできていない」という子どももいると思います。

そのような子どもは、繰り返し問題を解くことにより知識の定着を図ると思いますが、その際の問題集として くもん出版「できた!中1数学 関数・図形・データの活用」などの「できた!」シリーズがおすすめです。

画像引用:「できた!中1数学 関数・図形・データの活用」くもん出版

【おすすめポイント】
各単元が丁寧にブレイクダウンされており、おおよそ全ての出題パターンが取り扱われています。また、一方的に「教わる」のではなく、「例」や「空欄問題」を見て解き進めながら自ら知識を定着させていくことができるため、宿題や反復練習に最適の教材だと考えています。

学力テストで高得点をとる子ども

学力テストでも高得点が取れる、ある程度知識が定着している子どもは、基本的にはどのような教材でも抵抗なく取り組めると思います。定期テストで満点を取ることを目標に置いた場合、教科書の各単元の章末問題のような問題に慣れていくことが良いと思っており、そのための教材として 文英堂「くわしい問題集 数学」をおすすめしています。

画像引用:「くわしい問題集数学 新装版 中学1年 (シグマベスト)」honto

【おすすめポイント】
単元ごとに「テストに出る重要ポイント」、「基礎を固める問題」、「力をのばす問題」の3段階で構成されており、基礎問題をしっかり解きつつ、適度に応用問題を解くことができます。適切な問題量・ステップ別難易度のため、子どもも飽きずに進められる教材かと思います。

その他のおすすめ

入試教材のおすすめ(中学3年生向け)

中学3年生は、授業内容に合わせた学習とは別に受験対策が必要になってきます。学研「やさしくはじめる入試問題の解き方 数学」は、勉強があまり得意ではない子どもにとって取り組みやすい教材かと思います。

画像引用:「やさしくはじめる入試問題の解き方 数学」学研出版サイト

【おすすめポイント】
巻頭には「数学の入試問題はこう出されます」という入試に向けたアドバイスの特集があります。例題と解説、練習問題、入試模擬テストと一連の内容が含まれており、あまり勉強が得意ではない子どもでも、「受験ってこういうものなんだ」と理解するには最適な教材かと思います。

オンライン教材

オンラインでダウンロードできる教材では、「ちびむすドリル」がおすすめです。

プリント引用:「中学1年生 数学【正負の数】 正の数、負の数 問題プリント」ちびむすドリル中学生

【おすすめポイント】
様々なオンライン教材がありますが、ちびむすドリルは学びたい単元のプリントを探しやすいと思います。

また、プリントの最初に記載されている解説もわかりやすく、プリント数も1単元につき5枚ほどあり豊富です。基礎的な問題を繰り返し練習することができるので、学習した内容を定着させるための練習プリントとしておすすめです。

動画教材

動画で勉強したい!という子どもには、映像授業 Try ITがおすすめです。

画像引用:「Try IT」株式会社トライグループ

【おすすめポイント】
1授業が約15分のため、飽きずに見ることができますまた、単元ごとにきちんと動画があるため、「わからない部分があるけど解説が見つからない・・・」といったことがなく、網羅的に学習できる点も魅力的だと思っています。他にも個人で解説動画を作っている方も多くいらっしゃいますが、網羅性を考えると本動画をおすすめしています。

まとめ

今回は、Learning for Allの福田さんに子どもの学力に合わせたおすすめの数学教材について伺いました。

上記の通り、おすすめの教材を載せてはいるものの、子どもによって合う教材・合わない教材は違います。まずは子どもの学力を把握し、子どもと相談しながら教材を選んでいけると良いですね。

 

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