【授業で困っている方必見】問題を解決するリフレクション~アクション編~

学習支援の現場では、子どもが宿題をやってこない、子どもが授業に遅刻してくるため指導時間が短くなってしまうなど、どのように解決すればいいか困る場面があるのではないでしょうか。要因分析編では、問題解決のために授業をどのように振り返ればよいかを具体的に紹介しました。

今回は、要因分析編に引き続き、「子どもが宿題をやってこない」というテーマを例に、解決方法の探し方を紹介します。

要因分析編はこちら

【授業で困っている方必見】問題を解決するリフレクション~要因分析編~
【授業で困っている方必見】問題を解決するリフレクション~要因分析編~

解決のためのアクションを実行するまでの手順

授業で起きた問題を解決するためには、解決に向けたアクションを大人が実際に起こす必要があります。どのようなアクションを起こせば良いのかを考える手順は大きく3つです。

(1)子どもの情報をもとに、考えられる要因を絞る
(2)絞った要因に対するアクションを考える
(3)子どもに合いそうなアクションを選び実行する

考えられる要因を絞る

まずは、子どもの発言や様子をもとに、目標と現状の差を生んでいる要因として最も考えられる要因を絞り込む必要があります

例えば、子どもが「部活の練習が毎日ある」「部活から帰ってきた後に自主練もしている」「夜は疲れて早く寝てしまう」といった発言をしていた場合には、子どもが宿題を持ってこない要因として、部活が忙しいことが関連している可能性が高いでしょう。

また、「お家の手伝いは普段はしない」といった発言をしていた場合には、家事を手伝わなければいけないことが関連している可能性は低いと考えられます。

このように、子どもの言動をもとにして考えられる要因を絞りましょう。子どもの言動をもとにすることで、子どもの状況に即した適切な要因を特定することができます。

アクションを考える

要因を絞ることができたら、最初に立てた子ども主語の目標をもう一度確認した上で、アクションを考えます。下記の図のように整理すると考えやすいです。

今回は、部活が忙しいために宿題に取り組む時間がない場合に、大人が取るアクションについて考えてみます。最初に立てた子ども主語の目標は、「子どもが毎日30分宿題に取り組んでいる」でした。

今回は、宿題を終わらせられない要因として部活が忙しいことを想定しているため、まず初めに部活の時間を調整するのか調整しないのかを考えることがポイントです。

また、一人でアクションを考えるよりも他の人と意見を出しあいながらアクションを考える方が、より幅広くアクションを出すことが出来ます。そのため、話し合いをしながらアクションを考えることをおすすめします。

子どもに合うアクションを選び、実行する

上記で考えたアクションを全て実行する必要はありません。子どもによって向き不向きがあるため、実行するアクションは子どもに合わせて選ぶことが大切です。

アクションを選ぶ際のポイントは2つあります。

(1)子どもの納得感を大切にすること
子どもがどのように感じるかを想像して、納得感のあるアクションを選ぶことが大切です
例えば、部活で活躍するために毎日練習を頑張っている子どもに対して、部活を辞めようと伝えても、子どもは「どうして部活を辞めなければいけないんだろう」と不満に思うかもしれません。
大切にしていることや好きなことを大人に否定されていると子どもが感じないように、配慮できると良いでしょう。

(2)実行しやすいアクションを選ぶこと
実行のしやすさに注目すると、アクションを選びやすくなります
例えば、支援現場の大人が子どもの保護者や学校の先生に連絡を取ることが難しい場合、家庭・学校に対するアクションよりも、支援現場ですぐに実行できるアクションを選んだほうが実行に移しやすいかもしれません。
このように、アクションの中には、すぐに実行できるものとそうでないものがあるため、初めは実行しやすいアクションを選ぶと進めやすいでしょう。

まとめ

・アクションを実行するまでの手順
(1)子どもから聞いた情報をもとに、考えられる要因を絞る
(2)絞った要因に対するアクションを考える
(3)子どもに合うアクションを選び実行する

・他の人と意見を出しあいながらアクションを考え、幅広いアクションを出す

・アクションを選ぶときのポイントは2つ。
(1)子どもの納得感を大切にする
(2)実行しやすいアクションを選ぶ

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